■黄色いガソリン給油機マークはガス欠を回避するためのもの
クルマの運転中に、燃料が少なくなってくると黄色いガソリン給油機のマークが点灯します。
点灯したら、速やかに給油することが求められますが、点灯してからどれくらいの距離を走行することができるのでしょうか。
【画像】えっ!…これが給油口の 「意外な構造」です(23枚)
このマークは「燃料残量警告灯」と呼ばれる装置で、ドライバーにタンク内の燃料が一定量より下回ったことを知らせます。
燃料液面に浮かんだフロートが上下するのをモニターすることで、燃料の残量を計測しています。
言わば、燃料残量警告灯は、ガス欠を回避させるための警告ランプです。
燃料残量警告灯が点灯している場合はいうまでもなく、注意が必要です。
走行中に点灯した場合は、道路標識やカーナビを頼りに、近くのガソリンスタンドを探して速やかに給油することが求められます。
それでもガソリンスタンドが見つからず、やむを得ずガス欠を起こしてしまった場合は、ハザードランプを点灯させて、走れるうちにクルマを路肩など安全な場所に移動させる必要が出てきます。
このような緊急事態が発生した際は、クルマを停車させた後、ハンドルを壁や縁石の方向に切り、さらに発炎筒や三角停止板を設置します。その後、ロードサービスに救援を依頼します。
また、高速道路を走行している場合はさらに注意が必要です。
基本的には50km間隔でサービスエリアやパーキングエリアにガソリンスタンドが配置されていますが、なかには100km以上離れている区間も点在しています。
そのため、ガソリン給油機マークが点灯したときに一般道路の感覚で油断すると、ガス欠の危険性が高まります。
もしも、ガス欠でクルマを路肩に寄せた場合も、乗員はクルマ内に留まらずに、ガードレールの外側に移動して安全を確保してください。
燃料の残量に不安がある場合は、すぐに路肩に移れるように速度を抑え、左側の車線を走行するとよいでしょう。
燃料計は目安として活用し、早めの給油を心掛けることが望ましいと言えます。
さらに、高速道路上でガス欠が原因で停車すると、道路交通法第75条の10違反で、違反点数2点と乗用車であれば反則金9000円が科せられる可能性もあるので、注意が必要です。
そんな燃料残量警告灯ですが、点灯した際は速やかにガソリンスタンドを探して給油することが求められます。
それでも、地方などではすぐには見つからないケースも少なくありません。
燃料残量警告灯が点灯後は、何kmほど走行することができるのでしょうか。
■ガソリン給油機マークがついたら、そこから何km走れるの?
新車系のとある販売店の担当者は、燃料残量警告灯が点灯後の走行可能距離について、次のように話します。
「もちろん車種や使用燃料によって異なる前提ですが、一般的には約50kmほど走行できるように設計されています。
これは、高速道路に設置されているガソリンスタンドの間隔の距離とも言われているので、最低限以上の距離には対応できるようにできています。
それでも、走行速度や渋滞の有無、乗車人数、エアコンの使用、タイヤの空気圧など、さまざまな走行環境によって燃費は変化します。
逆に、高速道路などで安定的に走行できる場合は、燃費が伸びる傾向にあります。
地方の山道などは勾配も激しいだけでなく、ガソリンスタンドも近隣にないということから、よりトラブルが発生しやすい環境というのも存在します。
どこかに遠出する際は、可能な限り早い段階で燃料を満タンにしておくことが望ましいでしょう」
※ ※ ※
このように、クルマや走行環境によってランプが点灯後の走行距離は異なりますが、一般的には50kmほどとなっているようです。
ガソリン給油機のマークが点灯したからといって、すぐにガス欠になるとは考えにくいので、まずは落ち着いて運転することが大切です。
一方で、実際にガソリン給油機マークがついてからどれくらい走れるのかは、クルマによりまちまちです。
ガソリン給油機マークが点灯したときの残量と燃費がわかれば、おおよそ走れる距離を計算することができます。
たとえば、マークが点灯したときに残り5Lで、燃費が15km/Lであれば、ふたつを掛け算してあと75kmくらいは走れそうとわかります。
人気のSUV、ホンダ「ヴェゼル(ガソリン車・Gグレード)」は残り5.3Lでマークが点灯。
2WD車は燃費(WLTCモード17.0km/Lなので90kmほど走行可能。4WD車の場合は燃費15.6km/Lなので約82kmと計算できます。
また国産車で最も燃費が良いトヨタ「ヤリス(ハイブリッド車・2WD)」であれば、残量6リッターに対してカタログ燃費(WLTC)が36.0km/Lのため、約216kmは走れる計算となり、燃費によっても大きく左右されるのです。
※ ※ ※
最近のクルマのなかには、ガソリン給油機マークが点灯してから走行可能な距離を表示してくれるモデルもあります。
年末年始は通行止めや混雑で渋滞が発生しやすく、ガソリンスタンドが休業するケースも多くなります。
そのため、ガソリン給油機マークだけに頼らず、燃料が残り半分を下回る前に早めに給油することがおすすめです。
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